とっと
とっても
(主に距離が長いことばを修飾する)
【用例】
猫がおらんなったと思うて、探しよったら、とっと向こうまで行っちょった。
【訳】
猫がいなくなったと思って、探していたら、とっても遠くまで行っていた。
言葉は文化である
土佐弁といえば、「ぜよ」という接尾語を付けたがる風潮があるけれど、これは少し違う。男性は「ぜよ」も「ちや」も使うが、女性は主に「ちや」を使う。
映画「鬼龍院花子の生涯」で夏目雅子が
「わては高知の侠客 鬼龍院政五郎の、鬼政の娘じゃき、なめたら…なめたらいかんぜよ!」
と言ったのは、彼女が、男になって吐いた言葉である。そこには強い決意が含まれているのだ。
この2つの接尾語は、意味を強めることもあるが、ほんとうの意味は、婉曲であり、相手に同意を求める言葉ではないかと推察する。
これは言い方で判断するしかない。
【例】もう、あんなとこへ行ったらいかんぜよ
強調
婉曲
非常に難しい。イントネーションが違うのだが、それだけではない。
言葉は、人と人が意思を疎通させる一つの手段であり、そこには、言い方や、顔の表情や、素振りなどが大きく関わっている。