「ぜよ」と「ちや」

土佐弁といえば、「ぜよ」という接尾語を付けたがる風潮があるけれど、これは少し違う。男性は「ぜよ」も「ちや」も使うが、女性は主に「ちや」を使う。

映画「鬼龍院花子の生涯」で夏目雅子が
「わては高知の侠客 鬼龍院政五郎の、鬼政の娘じゃき、なめたら…なめたらいかんぜよ!」
と言ったのは、彼女が、男になって吐いた言葉である。そこには強い決意が含まれているのだ。

この2つの接尾語は、意味を強めることもあるが、ほんとうの意味は、婉曲であり、相手に同意を求める言葉ではないかと推察する。

これは言い方で判断するしかない。

【例】もう、あんなとこへ行ったらいかんぜよ

強調

婉曲

非常に難しい。イントネーションが違うのだが、それだけではない。

言葉は、人と人が意思を疎通させる一つの手段であり、そこには、言い方や、顔の表情や、素振りなどが大きく関わっている。

たっすい

たっすい
たすい

弱い
力強くない
(「たすこい」とほぼ同義)

【用例】
テレビを見よったら、「たっすいがはいかん」いうて、キリンビールが言いよったぜよ。にごうないとビールじゃないきに。
【訳】
テレビを見ていたら、「たっすいがはいかん」いうて、キリンビールが言っていた。苦くないとビールじゃないからね。

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